ささやかな抵抗
不器用な人間が
不器用なまま生きていけない
そんな世の中なんて
くそくらえ
いろんなことが
うまくいかない その分
幸せの価値を
知ってるんや
優しさだって
たくさんあるんや
言葉にできなくても
溢れてるんや
それで
ええやんか
senryu_20160603
自分では 見えないところが 禿げている
デート
初めてデートした時のこと
貴方は覚えていますか
楽譜屋で探し物をした後
喫茶店で食事しましたね
貴方はとても無口で
ピラフのお皿を
穴が開きそうな勢いで見つめながら
食べていた
音楽の話を少ししたでしょうか
いつも
言葉をひとつひとつ確かめながら
話していましたね
じっと相手の目を見る癖があって
見つめられると
何だか落ち着かないほどに
貴方の瞳は澄んでいました
お店を出てしばらく歩いてから
突然「かばん 忘れた」と
慌てて取りに戻ったのが忘れられない
なんて可愛いひと
そう思いました
今も
貴方は少しも変わらない
少年のように澄んだ瞳も
あの頃のまま
歳をとり
少し饒舌で気のいいおじさんになったけれど
これからも
ずっと貴方と歩いていたい
だから
明日は元気になります